ドライ溶剤管理
ドライクリーニングの溶剤管理とは
長文にて失礼します
- ドライクリーニングはドライ溶剤で衣類を丸洗いする方法です。家庭での水洗いでは水に洗剤を入れて洗いますが、ドライクリーニングでもドライ溶剤に洗剤を入れて洗います。なぜ水でなくドライ溶剤なのか?といえば、ウール等水洗いすると縮んでしまう素材を洗うために開発された方法なのです。
- ではドライクリーニング溶剤は水と同じ様に安全でしょうか?答えは「いいえ」です。日本で多く使われているのは石油と同じ成分の溶剤です。石油と同じ様に肌に触れれば化学火傷を起こしてしまいます。ですからドライクリーニングは密閉された専用の機械の中で処理し、溶剤を管理しています。そして洗った後の完全乾燥が何よりも大切です。乾燥には時間が必要です。朝出して夕方仕上げでは絶対に安全を確保出来ない素材もたくさんあります。
間に合わせるために高温で乾燥機を使うと、衣類を傷めてしまう事故につながります。
- ドライクリーニングはどこの店でも同じでしょうか?答えは「いいえ」です。新品の溶剤はどれも同じで綺麗です。しかし洗うと溶剤は汚れます。水と違って高価ですし排水に流せないので濾過や蒸留という方法で綺麗にして再利用します。この処理にはコストがかかります。コストをかけなければ料金は安く出来ますが、溶剤が綺麗でなければ衣類は洗っても綺麗になりません。
- ドライクリーニングで落ちる汚れはどこの店でも同じでしょうか?答えは「いいえ」です。車のエンジンオイル汚れで考えてみましょう。溶剤は基本的に油を溶かしますので油分は溶けてしまいます。しかし同時に含まれるカーボンや金属イオンなどによる汚れはそのままでは落ちません。洗う前に溶剤に溶ける様に丁寧にシミヌキ処理をする必要があります。ここでもクリーニング店の洗う技術やシミヌキ技術で差が出てしまいます。
- ドライクリーニングの溶剤管理のコストは次のようなものです。化学的な汚れを濾過する活性炭フィルター、物理的な汚れを濾過する濾紙フィルター、臭いや汚れを防ぐための溶剤酸化管理、安全に綺麗に洗うための電気伝導率管理、そして環境保全のための廃棄物マニフェスト管理。これらを全て適正に管理して初めて綺麗なドライクリーニングが実現します。コスト削減→料金割引のクリーニングではお客様に自信を持って品物をお返しすることが出来ません。洗ってあれば良いのではなく「綺麗にしてお返しする」のが私たちの仕事です。
- シマナカクリーニング店では完全なドライ溶剤の管理のための手間とコストを惜しみません。白いセーターは白く、色柄物はすっきりと綺麗に洗います。ドライクリーニングに限らず全ての品物のシミヌキ、汚れ落としを丁寧に行っております。
ビデオもご覧ください
- ドライクリーニングの洗い方についてはこちらのビデオにまとめてあります
- 【その2】
- 【その1】